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 Tear

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僕の大好きな女の子は

強がりで

あまり泣かないんだ・・・

親類の人が亡くなっても

絶対に人前では泣かなかった。

けど、

自分の部屋でずっと泣いていた。

それを僕は知っている。

僕らは

昔からの

知り合いで・

僕らの両親は

従兄弟らしい

だから、

僕らは小さい頃

いつも一緒に遊んでいた。

けど、

歳をとるにつれて

僕らだけ交流をしなくなった。

ちゃんかわいくなってたわよ〜vv」

母の一言の返事は“フゥ〜ン”

という言葉で終わる。

ここ数年あっていないと

別にどうでもいいという感じだ。

 

 

数日後

僕はスギと会うために

待ち合わせ場所まで歩いていた。

あいにくの雨・

傘を差しながら

いつものように音楽を聴く

そんな中

かわいげな女の子が

傘も差さずに立っていた。

“どうしたんだろう?”

最初はそれだけ

けど、

2時間経ってもまだそこに立っていた。

流石に僕も驚いた。

待ち合わせ?

にしてはその相手はいっこうに現れない。

「あの子ずぶ濡れだね・」

「うん・・・」

スギは“ちょっとかわいそう・・・”

といいその後

“傘を持ってってあげようよ!”

といった。

「賛成だね。」

そういって僕はその女の子の方へといったんだ。

『大丈夫?』

僕らは声を合わせて行った。

「えぇ・・・大丈夫・・・」

少女は下を向いたまま

僕らを見ようとしない。

「2時間ぐらい前もここにいたよね?」

「誰かと待ち合わせしてるの??」

僕らはそれぞれ不思議に思っていた事をいった。

「待ち合わせしてたんですけど・・・すっぽかされたみたい・・・」

クスッと少女は悲しげに笑い僕らを見た・

「ごめんなさいね。もう帰るから・・・」

その少女を僕は

どこかで見たことある

と思った。

その時はまだ気付かなくて・・・

 

 

家に帰って

母が

の父親(つまり母の従兄弟)が

危篤だという事を聞いた。

「母さんちょっと行ってくるわ!」

「あぁ・・・うん・・・」

あわただしく母が家をでた。

その後電話で

おじさんが亡くなった事を聞いた。

お通夜やお葬式など行かないといけないのかと

その時はそう思った。

ちゃんにも会えるね!」

妹が言う。

あぁ・・・そうか

にもあえるんだよな・・・

“かわいくなってたわよ”

ふと母の言葉が思い浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

「ひさしぶりだな・・・」

通夜の晩

こんなできごとがあったのに

に久しぶりに会えると思うと

ちょっと

・・・・

言葉が浮かばないけどさ。

おじさんには悪いと思うよ?

うん・・・

こんな

甥?でごめんね?

ってね。

 

「いらっしゃい・・・レオ」

「あぁ・・・・このたびは・・・?!」

昨日の女の子?

が、

「な・・・・?」

「昨日はありがとうね・・・待ち合わせの人・・・死んじゃった・・・」

!?

昨日の待ち合わせの人・・・

アレはすっぽかしじゃなくて・・・

おじさん?

「きのうね。ずっと来ないから家に電話してみたの・・・」

 

電話をしてみたら

おじさんは持病が悪化して

倒れたらしい。

それを聞いて

はずっとあの場所に立っていたらしい。

 

「寒くなかった?」

「あんまり・・・頭ン中ごちゃごちゃしてたから」

「そっか・・・」

 

ふと気付いた。

は悲しそうだけど

泣いてない・・・

「泣かないの?」

頭で考えるより先に

声になってしまったのだろう。

呆然と僕を見た。

「うん・・・泣けない・・」

そういって目をそらした。

まずい事を言ったな・・・

そう思いながら僕も目をそらす。

でも・・・

「昔から・・・は人前で泣かないからさ・」

そう・・・

たとえ好きなものがなくなってしまっても

いつも1人で

誰もいないときに泣いていた。

僕はそれをよく見ていたし

ずっと、

力になれない事を

苦にしていた。

「悲しくないから泣けないんじゃなっくって、

人前で泣けないんだったら・・・

泣いていいんだよ?」

 

その言葉で、

は僕を見て

まっすぐな瞳で

一粒

二粒

涙を流した。

初めて見せた

涙。

いつも1人で

流していた

それをこれから

「泣きたい時は僕の近くで泣けよ?」

ずっと僕が支えてあげるから・・・

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