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やわらかい風

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黒く髪を染めた彼は

静かに私に笑いかける。

性格も

少しだけだけど明るくなった。

みんなに話しかけ

ユーリに負けぬほどの人気者だ。

けど・・・

それが私にとってはちょっと悲しいことだった。

?元気ないね?どうしたの??」

「別に・・・ちょっと眠いだけ・・・」

「ふぅ〜ん・・・」

いつもにたような会話・・・

ただのやきもちだなんていえないけど・・・

それでも彼が他の人と楽しそうに話すと

つらい・・・

それがたとえ

男だろうと女だろうと

私は

つらいの・・・

「ハ〜〜〜ァッと!」

ため息もつき飽きた

気がつくとため息しか出てこない…

辛いんだ・・・

わたし。。。

ため息をつくと気付いてしまう。

私はツライ

同じことしかいえなくなって

同じことしか考えられなくって。

それでも・・・

キユリと一緒に・・・

一緒にいたい・・・

「こんなところにいたんだ・・・」

「え・・・?」

「探したよ?いっつもいなくなるんだね・」

キユリは笑いながら私に近づいてきた。

久しぶりに見た。

私だけ

私だけに笑いかけてくれている。

キユリという人は。。。

私だけに話しかけている。

この頃いつも元気ないじゃない?」

「そぉ?」

「うん・・・どうしたの?」

どうしたの?

ときかれても。

あなたが原因です。

なんていえない・

私が元気がないのなんて

ただのやきもちだし・

それでいて。

げんきだして?

なんていわれても…

「ちょっと」

「眠いだけなの?」

「え・・・?」

初めて聞いた。

キユリの厳しい声。

「本当に眠いだけだったら・・・なんで・・・」

 

 

 

「なんで・・・Deuilと話す時はあんなに明るいの?!」

 

 

「え・・・」

 

 

気付かなかった。

Deuilとキユリに話しかけるのはあまり変わらないと思ってたのに・・・

「それだけじゃないよ・・・レッシュやミスマに話しかける時だって。」

 

 

 

「俺と違うよね?!」

ちがう・・・?

それは。。。

「俺の事・・・」

ちがう・・・

それは・・・

それはね!

「きらいなの?」

「ちがうよ!」

「じゃぁなに!?」

初めてするかもしれない。

キユリと喧嘩なんて。

レッシュとかなら

いつもしてるようなんだけどね

でも・・・

誤解されたくない・・・

キユリにだけはずっと・・・

「だって好きだから・・・」

「好き?俺だってみんなのこと」

「その好きだけじゃない!」

 

 

「わがままかもしれないけど」

 

 

「わたし、キユリと話してた人たちみんなに」

 

 

「やきもち・・・焼いてただけかもしれない・・・」

 

 

 

 

 

うん・・・

そうだよ・・・

やきもちやいて・

それでいて

それをキユリにぶつけてただけ。

話すのが辛くて。。。

「それは・・・」

 

 

「ほんとう?」

 

「うん・・・ほんとう・・・」

「そっか・・・」

どことなくホッとした顔のキユリ

 

「あ・・・」

「?」

よくよく考えたら

わたし・・

久しぶりにキユリとした会話って・・・

けんか・・・?

「・・・・・・」

「え?」

 

 

ジィッとキユリに見られて

目をそらしてしまった…

「目・・・そらさないで・・・」

「で・・・も・・・」

「。。。」

フゥッとため息をつきキユリは下を向いた。

「俺ね。名前変えたんだ・・・」

「え?!」

「・・・」

いきなりの出来事に

キユリのほうを向いてしまった。

むぅっとしたキユリの顔が

私の目を見ていた。

「おれね・キユリからクォーリィに変わったのね。」

「・・・言いにくいね・・・」

「いつまでもいいやすいってのはイカンでしょ?」

ふふっと笑いながら

私たちはまた新しい

道を歩み始める・・・

 

「もう・・・夏も終わりだね・・・」

「うん・・・」

 

夏の終わり

生暖かく

そして

やわらかな風が

私たちを包んだ・・・

 

 

 

Fin

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