春の光

 

 

 

 

 

 

春はそこに・

 

 

風が吹き、暖かな日差しが迎える朝。

私はこの世に生を享けました。

このときはまだ兄弟もたくさんいて、

母親もいて、

幸せでした。

でも、この幸せを崩したのは

 

 

 

 

「殺せぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

毛皮が高く売れるということで

私たちは群れともども

虐殺に追われました。

そんな中たった一人で

群れから離れていた私だけ、

助かってしまったのです。

 

 

 

彼らと一緒に死ねたらきっと

こんなに悩まずに済んだでしょう…

 

 

 

 

 

「ユーリ・・・なんスか?その子」

ユーリと呼ばれる人に私は拾われました。

彼は森で弱っていた私を助けてくれたのです。

「へぇ・フィールドセルフじゃんか。」

奥にいた髪の毛(というか全身が)青い人が私の種を言いました。

「じゃぁこの子も俺と同じ?」

「あぁ、ただし・・・」

 

 

 

「狐だがな・・・」

 

 

 

 

 

 

「えっと、ご飯は…食えるっすか?」

私は首を横に振った・

気づいたら誰もいなくなった私の村。

誰もいなくなった私の家。

そして、

床には私の・・・

 

 

「無理して・・食べなくてもいいッスよ・・・」

優しく笑う彼は少しつらそうだった。

せっかくの料理・・・

食べなくて悪いかな・・・

でも・・・

 

 

「食べなくてもよい・・・」

「ユーリ・・・」

落ち着いたらな・・・

と、彼は言った。

落ち着いたら…

コレでも落ち着いたほうだ。

家に帰ると血だらけで…

絶叫しながら私は泣きじゃくった。

誰も私を慰めはしない。

ただ一人・・・

 

 

 

「あの子…獣の姿のままっすね…」

「それだけ精神状態が狂っているのだろう?」

お前だってそうなるだろう?

とユーリは小さくつぶやいた。

アッシュは

確かに・

といい彼女の部屋の前から去っていった。

 

「にしてもフィールドセルフとはね…」

スマイルは真顔のまま窓の外を眺めていた。

「一応世界遺産にはなっているのだがな・・・」

ユーリとアッシュはMZDの元へと連絡をしていた。

その姿を見てスマイルは半ば怒りながらいった。

「許せないよね…」

 

 

 

 

 

「ほぉ・・・じゃぁフィールドセルフの生き残り。」

「えぇ・・・まぁ・・・」

MZDはアッシュと共に

彼女の元へと急いだ。

「この様子じゃ飯も食ってないな・・・」

「えぇ・・・」

アッシュとMZDは苦笑しながら彼女のドアを開けた。

 

 

 

 

 

「しっつれいしまぁす。」

妙にハイテンションな声が聞こえた・

「君がフィールドセルフの生き残りだね・」

私は警戒することもなく頷いた。

どうせ、私も殺されるのだろうと思い・・・

だから抵抗はなかった…

 

 

 

「俺は君の味方だからね、こいつ等も…」

一言目に発したのはそれだった。

何を言っているんだろうと思った。

けれど…

優しい暖かな光が私を包んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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